モノづくりとは無縁の人生でした。
高校も大学も音楽系。大学卒業後は派遣会社に登録し、一般事務や営業事務の仕事をしていました。モノづくりとは本当に無縁の人生でした。
この道に進むきっかけになったのは、たまたま派遣会社のCAD教室をのぞいてみたことなんです。「なんだかおもしろそうだなあ」と思い、自分でもCADを勉強して、タマディックに入社しました。
無理なく着実に、育ててもらっています。
タマディックに入社できたのはいいのですが、知識も経験もないわけです。不安は確かにありましたよ。
それでも入社後の研修は1ヶ月間も用意してくれ、作図の方法や強度計算などの機械工学の基本や、CADなどを勉強することができたので安心しました。研修終了後は、上司の補助役として、仕事を覚えることから始めました。分からないことに関しては自分でまとめ、上司に時間をもらってまとめて聞くなど工夫をし、少しずつ知識を増やしていったんです。
ある程度知識や経験を積んだところで、自動車部品メーカーでの仕事を任せてもらえることに。それでもやはり分からないことが多く、自分で解決できない問題は、実務を通じて周りの人たちにその都度教えてもらいました。また、自分でも仕事が終わったあと自宅で、「機械工学Ⅰ」という工業高校の教科書を片手に必死に勉強もしました。周りの人たちに少しでも追いつきたくて。
ただ総じて言えるのは、無理なくスムーズに、私のペースや成長度合を考えて仕事をさせてもらえているのではないかということ。仕事は大変なことも多いですが、それ以外の部分でストレスを感じることはほとんどありません。
1mmという細部へのこだわりを実現しています。
現在自動車部品の3Dモデリングと製図を任されています。主に担当しているのが、エンジンカバー。
エンジンフードを開けた時、最初に目に飛び込んでくるエンジン内の顔ともいうべき部分です。デザイン部門から渡される、上面からのスケッチ形状のイメージをもとに、モデリングしていきます。
耐久性や周りの部品との隙間のバランスを考えるだけでなく、造形・意匠デザイナーのこだわりをいかに形にするかもポイント。エンジンカバーの角で微妙に折り曲げる部分があるのですが、たった1mmでも仕様通りになっていなければ、デザイナーから訂正の依頼がきます。デザイナーのこだわりを感じる瞬間です。
そんなこだわりを形にしたエンジンカバーは10車種以上。私がつくった“顔”が載っているクルマが、いまあちこちで走っています。
「消音効果がありました!」
入社して1年たったぐらいの頃、トランスミッションのケースをモデリングする仕事に携わりました。ケースで覆わない場合40dB出てしまう音を、ケースで覆うことにより37dBに下げるという仕事です。
トランスミッション本体とその周りの部品の隙間は5-10mm。周りの部品をうまくよけながら、誤差0.5mm以下におさえてケースをモデリングしていきます。寸法の精度も大切ですが、一方であまりに曲げが多いと生産現場でつくりにくくなってしまう。上司やベテランの技術者とも相談を重ね、試行錯誤を繰り返して2週間かけて仕上げました。
そのとき、上司が笑顔でこう言っていましたね。
「なんだかさ~、とても切羽詰まって大変そうだったけど、周りの人はちゃんと温かく見守っていたんだよ」。
きっと私は半べそをかきそうな顔をしていたんだと思います。1ヶ月後、自動車メーカーから「消音効果がありました!」と報告を頂き、その時の苦労は吹き飛びました。
モノづくりに関する知識があまりになく、自習用の教材が必要だと感じたので、ネットで工業高校のカリキュラムを調べ、高校で使われている教科書を探して、買いました。
高校生向けなのでとても分かりやすく、勉強になっています。後で知ったのですが、その教科書は、タマディックの“未経験者向け推薦図書”だったそうです。
この仕事に就いた時、新素材開発のエンジニアだった私の父親はとても喜んでくれました。エンジニア同士、話が通じる時があって、父親も私との会話を楽しんでくれているようです。
私の職場では、3Dでモデリングした部品が実際の製品になった時、その製品を手にすることができます。手にした瞬間、思わず「カワイイ!!」と叫んでしまうほど。机の上に飾っておきたいぐらいの気持ちになります。
キャリアマップ
音大の声楽家を卒業後、派遣会社に登録し、一般事務や営業事務の仕事に。
上司の設計補助を経て、自動車部品のモデリングを担当。
『お客様のご要望に対して、提案のできる機械設計技術者になりたいです』とのこと。














