人材の育成には周到な配慮とよき先輩。

新しきよき人材を得たとしても、その人達を生かすも殺すも、先輩技術者の指導の如何にある。技術者を育てるには、その中心となる先輩技術者の質と量が大きな影響を与える。だからこそ中小企業が伸びるには、大企業に倍する時間と努力が必要となる。

そこで時宜に合わせ研究対象を限定し、期限を切る決心も必要。有能な技術者があらゆる場合に引き出され、貴重な時間を無駄にしないよう配慮することも大切な事であろう。

上級管理者は、営業の進展に関するあらゆる情報を可及的速やかに入手する努力が必要である。そのためにも関連ある諸先輩、技術者、知識層など、諸権威との接触、嘱託・顧問としての招へいによる勉強。さらに、決断のためには折々の経理上数値の認識も必要である。

よき情報を得るには、多くの知己を得るため謙虚・素直・礼節など豊かな人間性と、情報を生かすも殺すも、自分の知識能力による事を知らねばならない。

創造性、積極性、協力性の助長といっても、言っただけ、聞いただけ、あるいは精神的なものだけでは持続性は持たせられない。それぞれに応じた組織や制度などによる自動発効の奨励あるいは援助方式(わずかでも)が必要である。

優れた人材を欲するのは技術者に限ったことではない。経理上の損失部分や不必要経費の発見、幹部に対する先見情報の提供、十人の仕事を九人に減らす改善案、十枚の用紙を九枚で済まし、十分のものを九分にする改善案。これらは売上を一割伸ばしたと同じ貢献である。誰もが一歩進んで前を考える気風が必要である。

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