指示や命令は、すべて楽しい目標にできる。

普通の状態であれば、仕事を配分し割り当てる立場の人は、仕事の単純な部分、困難な部分、未知な部分、つまらない部分、判断に迷う部分など、略推定ができるはずだ。作業者の能力によって、その部分によって、「このやり方が良いと思う。そして、この点まで進んだら相談してくれ。今度はこの方法を考えてみたらどうか。この部分はもっと進歩が必要ではないか。この部分は誰々が良く知っている。あるいは、何々の本による勉強が良いと思う」など、適切な指示や注意をすることが大変に重要である。進むべき方向が明らかなとき、仕事は楽しくなるのである。

また作業終了期は少なくとも予定の10~15%以内に伝え、修正の余裕や、あるいは「よく頑張った」と褒める部分を作っておくくらいの配慮は必要であろう。

誰もが、「自分の仕事を認めてほしい」と思っているのである。

もちろん、仕事の説明については、本人が「早く案をまとめてみたい」「図面に描いてみたい」と進める欲が出るまで、噛み砕いて渡すか、打ち合わせをする事は、仕事を面白くするコツである。部下の仕事が進まないのは「自分の渡し方が悪い」と思うのが順当であり、面白くないのは配分者の努力不足で「適切な目標やアドバイス」を与えられないことが、ほとんどの原因と思われる。

単純作業の多い場合でも、その中に多くの勉強材料を見つけることは簡単だし、「随分早くなった!」「きれいになった。この次はもっと勉強になるものをやろう」ぐらいの言葉は誰でも出来るはずである。仕事の一つひとつの単位に添える言葉も一つの目標である。

全体を見る立場の人は組織を作りっ放しにするのでなく、「目的を持って見守る」「目標を明確にする」「それぞれきちっとまとめさせる」「良いものは褒める」「言葉に出して明確にする態度」が必要である。

自分の周囲の人達が少しでも向上するよう、気づいたなりのアドバイスをし、また先に立つものは部下・後輩のために、一歩でも先に出るよう「目標を自分にも荷し、全体にも掲げる」のが長として当然のことと思う。

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