縫製業C社

縫製業は、労働集約型産業の代表例であり、人件費が安い国へ生産拠点を移転させることで低コスト生産を実現している。かつての生産拠点であった中国は人件費が高騰し、今はベトナム、ミャンマー、バングラデシュといった東南アジアにおいて、多くの人がミシンを駆使して大量生産体制を構築している。 裁断など素材の加工工程では自動機が用いられているが、衣料品に縫い上げていく縫製工程は、柔らかい布を扱うことや、素材や色・サイズが多種に渡るため、自動が難しい分野である。

#自動車 #FA・ロボティクス #自動化・省人化ソリューション #生産技術

課題解決のために行った施策

  • 現場の観察

    現地の縫製工場を訪問して作業工程を観察。製品の特性・種類を知ることや、人の流れ・動きを確認し、自動化に向けたイメージづくりを行った。

  • 構想検討

    打合せの中で、構想図を描きながら自動化に向けた検討の共有を図る。その後、3D図面によるイメージ共有や、要件定義書によるユースケース・メリットを共有し、自動化経験の少ないお客さまにもしっかり意思決定・判断ができる材料を提供。

  • 設計製作

    軟体物である布特有の自動化阻害要因を分析し、設計によって解決した。設計で作り込んだ要求値を実現する為、協力工場と連携した製作、製造を実施。

  • 品質の作り込み

    現物確認と装置の微調整を繰り返し、お客さまとともに品質の作り込みを実施。当初の要求になかった色素材への対応を求められたことから、カメラを活用し、独特な撮像条件を追加することによって対応を図った。

ご提供できた成果

(1)自動化が難しいと考えられていた縫製工程の自動化に成功

軟体物を設備で扱う難しさを克服し、縫製工程の一部を自動化することができた。お客さまにも縫製の自動化を考える切り口を掴んでいただくことができ、次の自動化を考えるきっかけを提供することができた。人手に依存しない生産体制の構築にチャレンジできるようになった。

(2)生産性・品質の向上につながっている

縫製業は、作業者がミシンと向き合い、ひとつの工程につきっきりになっているケースが多い。今回の自動化によって、作業者はワークを設備にセットするだけで自動縫製ができるようになり、掛け持ち作業ができるようになった。また、軟体物特有の品質のバラツキについても、設備を使うことによって低減することができた。

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