ブランドストーリー

エンジニアリングの
未来を拓く

Story of Tamadic

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株式会社タマディックのルーツは、1957年7月に森實千馬太が横浜市で開業した機械製図とトレースを業務とする設計事務所にさかのぼる。森實は戦時中、三菱重工業で航空機の生産に携わっていた。映画『風立ちぬ』で主人公のベースとなった堀越二郎技師とも同じ時期に勤務していた。

1959年に株式会社多摩技研(東京都港区芝浦2丁目)を設立し、法人化を果たす。1960年、戦後初の国産旅客機YS-11の設計作業に参加し、1977年には、種子島宇宙センターで試験作業に参加した。1990年、創立30周年を機に、社名・シンボルマーク等のCI(Corporate Identity)を一新し、「株式会社タマディック」*に社名変更する。2009年には、次の50年に向けて、ロゴタイプを一新し、スローガンを「創るチカラ、変えるチカラ」とした。

現在は、創業者の孫にあたる森實敏彦が代表取締役社長に就任し、社会情勢を鑑みながら変革の時代の舵取りを担う。タマディックは、航空機産業や自動車産業の発展とともに企業成長の道を歩んできた。創業者が1958年に策定した『設計十訓』には、ものづくりの情熱が込められており、そのスピリットは、タマディックのDNAとして今日まで脈々と受け継がれている。

【社名の由来】
長年親しまれてきた旧社名「多摩技研」の「タマ」を踏襲し、さらに、技術開発を基幹事業とする当社のイメージを表す「the Technological Development of Infinite Creation 」(限りなく創造的な技術の進歩)から「DIC」を選択して社名「タマディック(TAMADIC)」とした

お客さまから信頼される
高付加価値提供企業へ舵を切る

プロジェクト単位の受託比率:請負44.8% 受託20.7% 製作19.6% 派遣14.9%

2024年3月末時点

2000年代、タマディックの業績に大きな影響を与えた2つの出来事があった。1つは初頭に世界を襲った「半導体不況」。もう1つは、2007年の「リーマンショック」だ。特に、これを機に「派遣切り」が社会問題になったリーマンショックは、業務単位での受託が売り上げの多くを占め、エンジニアの派遣比率が高かったタマディックにとっては大きな逆風となった。社長就任から間もない頃であったが、森實敏彦はタマディックの将来を見据えて大きな決断をする。それは派遣業務の比率を下げること、つまりは業務単位からプロジェクト単位での受託に契約形態を切り替るというものだった。

「プロジェクト単位での受託」とは、品質を担保して納期どおりに成果を出すことはもちろん、エンジニアの労務管理、全体のマネジメント業務を含めてタマディックがプロジェクト全体の進行を引き受けることを意味する。設計から改善計画までの一連の流れの中で、高い技術を提供し、作業の効率化を図り、タマディックが提供する付加価値を高めることができる。さらに、必要な場合には即戦力の増員も可能となるなどメリットは大きい。こうしたメリットを広く深くお客さまに浸透させることでプロジェクト単位の受託を増やし、現在では売り上げの約8割を占めるまでになった。

Topics

2002年
森實敏彦が代表取締役社長に就任
2000年代初頭
世界的半導体不況
2007年
世界的金融危機(リーマンショック)。これを機に、高付加価値企業への舵切り
2024年現在
プロジェクト単位の売上比率は約8割を占めるまでになる

総合エンジニアリング会社へ
ポジションを変える

プロジェクト単位での受託増により売り上げは大きく拡大した。一方で課題も見えてきた。それは、従来のような代替可能なレベルの仕事ではなく、お客さまのコアな業務にかかわる、より高度な技術が求められることであった。タマディックは難易度の高い仕事に積極的に取り組み、実績を重ねることで信頼を積み上げてきた。これにより社員のレベルも品質もあがるという良い循環を生むことに成功した。自動車、航空・宇宙、FA・エレクトロニクスなど幅広い分野において、国内トップメーカーと取引を拡大させながらも、「難易度の高い仕事はタマディックに」とお客さまから頼っていただけるポジションの獲得を目指し、「下請け」から「パートナー会社」へ、そして信頼できる「総合エンジニアリング会社」へとお客さまとの関係性を深めてきた。

各種の認証取得に踏み切り、
品質保持を仕組み化する

JIS Q 9001 ISO9001の登録証と付属書

組織として品質保持を「仕組み化」するため、タマディックは従来から行っていたQC活動である「設計効率活動」を発展させ、ISO等の認証取得を目指した。そして航空宇宙品質マネジメントシステム(JIS Q 9100)、品質マネジメントシステム(ISO9001)の取得に始まり、環境マネジメントシステム(EMS)、情報マネジメントシステム(ISMS)、労働安全衛生システム(OHSAS)を取得した。特にISMSは、これを取得しているエンジニアリング会社は少ないが、お客さまの機密情報を扱うためには必須だと判断し、取得に踏み切った。品質・環境・情報・労働安全衛生の分野で5つのマネジメントシステムの認証を取得し、今日まで認証を継続させている。

Topics

取得年月と取得認証

2005年12月
JIS Q 9100:2004 
航空宇宙品質マネジメントシステム
ISO 9001:2000 
品質マネジメントシステム(名古屋地区)
2006年12月
ISO 9001:2000 
品質マネジメントシステム(東京地区)
2008年8月
ISO 14001:2004 
環境マネジメントシステム
2009年12月
ISO/IEC 27001:2005 
情報セキュリティマネジメントシステム
2010年8月
ISO 9001:2008 
品質マネジメントシステム
2011年8月
JIS Q 9100:2009 
航空宇宙品質マネジメントシステム
2013年12月
OHSAS 18001:2007 
労働安全衛生マネジメントシステム
2015年1月
ISO/IEC27001:2013 
情報セキュリティマネジメントシステム
2017年8月
JIS Q 9100:2016 
航空宇宙品質マネジメントシステム
ISO 9001:2015 
品質マネジメントシステム
ISO 14001:2015 
環境マネジメントシステム
2019年12月
ISO 45001:2018 
労働安全衛生マネジメントシステム

新しいことを学び続けるには、
健康でなければならない

エンジニアのさらなる成長と待遇改善のために、そしてエンジニアの価値向上のためにタマディックは何をすべきか。導き出した答えはきわめてシンプルだった。それは、学び続けること、そして心身ともに健康であることであった。

「変わり続けることを止めない」。これは森實敏彦が常々口にする言葉だ。日々新しい技術が生まれているエンジニアリング業界では、現状維持では任される仕事は減っていく。学び続ける意欲があれば、経験値と合わせてエンジニアの価値は高まり将来の展望も広がっていく。新たな知識、これから必要となる技術を身につけて新たな分野へ参入していくことは、付加価値の高い仕事で社会のニーズに応えるタマディックにとっては必然の流れであった。

付加価値の高い仕事を実現し、幸せな人生を送るためには、「健康であること」が大前提となる。2013年に認証取得した労働安全衛生システム(OHSAS 現:ISO45001)に則り、働き方改革を経てさらに一歩進めた「健康経営」を掲げて、全社員の健康意識を高める取り組みを始めた。
楽しみながらダイエットや禁煙など社員の健康づくりをサポートする「健康チャレンジ!」制度は、健康経営の流れを後押しする。SDGsに配慮したタマディック名古屋ビル(2021年11月竣工)の一角には本格的なフィンランド式サウナ『LUOVA SAUNA』(ルオバサウナ)を設置。サウナを通した社員の健康およびワークライフとウェルビーイング向上のための取り組みが評価され、日本で初めてフィンランド大使からオフィスサウナとして認定された。

  • LUOVA:フィンランド語で「クリエイティブ、創造的」の意

Topics

2008年 9月
くるみんマーク 取得
2017年10月
あいち女性輝きカンパニー認定
2018年3月
健康経営優良法人に初認定
2021年11月
タマディック名古屋ビル竣工
駐日フィンランド大使より日本初のオフィスサウナとして認定を受ける

エンジニアリングのチカラで
社会変革に挑戦する

日本政府は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と宣言して国の成長戦略としてカーボンニュートラルを位置付けている。これを受けてタマディックも、地球環境の未来を考えるSDGsやカーボンニュートラル関連への事業シフトを経営方針に掲げる。また、同時に中国、アメリカへ進出を果たし、グローバルに事業を展開させていく。

森實敏彦は言う。「これからのエンジニアは社会変革のために働く」「民間ロケットが毎日のように打ち上げられ、EV自動車の自動運転が日常化する。こんな社会を実現し、新たな産業創出に取り組むその先頭には必ずエンジニアがいるはずだ」と。

私たちタマディックは、これまでエンジニアリング会社として日本のものづくりを支えてきた。
今後も社会変革に挑戦し、エンジニアリングの未来を切り拓いていく。

Topics

2014年 4月
多摩機電設計(上海)有限公司が営業開始
2017年 7月
米国に現地法人 Tama Technical Core Co., Ltd.を設立
2018年11月
中国に現地法人 多摩機電設計(上海)有限公司 蘇州分公司を設立
2019年 9月
会社創立60周年を迎える
2021年11月
タマディック名古屋ビル竣工
2025年 8月
豊田市の新拠点「新豊田事務所」が完成予定