建材メーカーD社

建材の製造を行うD社の加工ラインは、ワークサイズが比較的大きいため、作業者への負担が大きく、複数人で作業する必要があるなど、人手が掛かる特徴がある。また、仕向先によってサイズや種類が異なるため、多品種混流生産の現場となり、作業者の勘違いやミスによる手戻りが発生しやすい傾向がある。

#FA・ロボティクス #自動化・省人化ソリューション #生産技術

D社からのリクエスト 一般鋼材を用いた建材製品生産ラインの自動化

  • ふたつの材料の重ね合わせ工程を自動化する

  • 約10名で作業。パートタイム労働者が多く、日々人員が入れ替わる

  • ワークサイズは最大2,500mmで多種におよぶ

課題解決のために行った施策

  • 要求のすり合わせ

    ヒアリングや現場確認を通して、以下の要求を確認した

    • ユーザーの目に触れる建材なので、傷を作り出さないこと
    • 設備の不具合があったら簡単に復帰できること
    • 人と協調できる設備であること(安全の確保)
    • プレス部品一般公差内で、完成製品の品質を安定させること
  • 構想検討

    大きなワークを反転し、重ね合わせるという難易度が高いユニットを構想。ワークのバラツキを織り込むことやワークに傷やねじれが発生しないよう搬送にも注意を払うなど、品質安定のための工夫を盛り込んだ。

  • 設計・製作

    大物ワークの重ね合わせ精度を出すため、ゆすって収めるような、人のコツを機械に置き換える工夫を取り入れた。設備不具合時に簡単に復旧できるよう、シンプルでスリムな設備とした。同時に、生産効率が上がるレイアウト配置を検討した。

  • 検証・品質作り込み

    生産現場にて立ち会い・検証を行う。各ユニットの精度出しを通し、多品種であっても品質が安定することを確認し、引渡し完了。

ご提供できた成果

(1)多品種混流生産ラインの品質を安定させることができた

自動化にあたっては、下記のポイントにおいて品質の安定化を実現した。

  • ワークサイズによって発生する可能性があるねじれや、傷に対する配慮
  • 精度を出すために人が行っていた作業の再現を盛り込んだ設備を構想
  • 設置時の品質出しを丁寧に行うこと

自動化前は、製品が多品種に及ぶことや、作業者が日々入れ替わることから、品質の確保に非常に気を遣うラインであったが、自動化によって、人材の多様化と品質の安定化を両立できた。

(2)省人化や生産性向上を実現することができた

ワークが大きいため、手作業では10名体制で加工していたが、自動設備の導入によって、2名にすることができた。加工にかかる時間についても、50%程度の短縮を実現することができた。

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