レーザートラッカーを用いた大物外観検査の自動化

デバイス商社B社

B社では、カメラやレーザーを使った三次元形状測定機を取り扱っている。その中でもレーザートラッカーは、造船、航空宇宙、鉄道車両、風力発電など比較的大きなものを対象に、平面・曲面検査、完全性検査などに用いられている。B社からは、以下のリクエストを頂いた。測定対象が大きいながら、精度が求められる点で難易度が高いものであった。

#FA・ロボティクス #自動化・省人化ソリューション #生産技術

B社からのリクエスト

  • レーザートラッカーを使った大物を対象とした外観・寸法検査を自動化したい

  • 具体的には、危険を伴う大物測定において、人が測定器で実測している検査工程を、 安全で高効率な自動検査システムにしたい

  • 対象物は幅30m超であり、検査要求としては0.13mm

課題解決のために行った施策

  • 要件定義

    高精度な三次元形状測定が行えるレーザートラッカーを使い、30m超の大きなワークの外観・寸法検査を自動化する。エンドユーザーの検査工程やその課題を明確にし、品質や検査スピードなどの要求、費用についてすり合わせを実施した。

  • 構想検討

    測定機であるレーザートラッカーと、AGV(無人搬送車)と多軸ロボット等を組合せた自動検査システムを構想。0.13mmの検査要求を実現するため、測定機・AGV・ロボットをインテグレーションし、レーザートラッカーの精度を最大限活かすことを検討した。

  • 設計・製作

    製作過程においては、ラフで動かして成立性を確認。高精度なアクチュエーターに変えていくことで、レーザートラッカーの持ち味である高精度をフルで発揮できるようにした。

  • 検証・品質作り込み

    エンドユーザーの検査工程にて、立ち会い・検証を行う。スキャナーを取り付けたロボットティーチングが重要となるが、CATIAモデルを使用したスキャナー稼働範囲を提示するなどによって品質作り込みを支援した。(ニーズによっては、自動ティーチングシステムの導入なども対応可能です)

ご提供できた成果

(1) AGVや多軸ロボットとの融合により大物対象物の外観測定の自動化に成功

大物対象物の測定を自動化するにあたっては、測定機であるレーザートラッカーを、AGV(無人搬送車)や多軸ロボットと融合する構想によって解決することができた。

(2)レーザートラッカーの性能をフルで発揮できるよう作り込むことができた

高精度が持ち味のレーザートラッカーの性能を活かすため、 AGVや多軸ロボットの組み合わせを最適化した。これにより、測定対象が30mを超える大物であっても、0.13mmの検査要求を十分達成する自動測定システムをつくることができた。

(3)安全で効率的な検査システムを構築することができた

人が検査をしていた際には、検査対象が大物であるがゆえ高所作業などリスクが伴うものであった。今回自動化することによって、そのリスクを廃し、かつ検査のスピードも早めることができた。

お問い合わせ先

  • Webからお問い合わせいただく場合、下記専用フォームからお願い致します。
    お問い合わせいただけましたら、内容確認後近日中にご連絡致します。

    お問合わせ専用フォーム

  • お電話でのお問い合わせ

    すぐ知りたい、相談したい場合は下記の番号までお電話ください。

    • 東京:03-3232-1565

    • 名古屋:052-209-6715

    受付時間 平日9:00~17:00