第1部 多摩技研の時代

第3章 忍耐の時期(1968~1975)

創立10周年記念式典で挨拶する社長

創立10周年記念式典で挨拶する社長

1969. 9 会社創立10周年(社員数:83名、売上高:1億円)、創立10周年記念式典を挙行

この時期は、長期間続いてきた好景気の終焉、オイルショックの発生、変動相場制への移行による円高の進行、さらには、当社の基幹事業であった航空機関連事業において、航空機開発が端境期を迎えたことで、発注量が大幅に激減。

会社創立以来最大ともいえる、経営危機に直面していたが、当社を終始支えてくださったお客さま、ならびに苦しい時期も常に日常業務の推進に尽力した社員一同に対する感謝の念を込めて、9月28・29日の両日、静岡県焼津市の焼津グランドホテルにて、創立10周年記念式典を開催した。

設計製図基本研修教本

設計製図基本研修教本

1970. 4 設計製図基本研修教本発行

多摩技研の売りは、技術力であり、また技術力を強化することは会社を強くすることに直結するとして、社長 森實 千馬太は、日頃から社員の技術研修に注力。これをさらに実のあるものにし、研修終了後も常に手元に置いて、困ったときにすぐ確認できる環境をつくり出すため、設計製図の基本事項を整理した「教科書」が必要であると強く意識していた。

そこで、長年にわたる自らの実体験に基づいた設計製図に関するノウ・ハウの集大成として『設計製図基本研修教本』を発刊した。この教本は、その後必要に応じて改訂・補完され、さらに、オリジナルの「機械編」に加えて「電気電子編」も編纂された。

1971. 6 多摩技研労働組合結成

1971年6月に名古屋で多摩技研労働組合が結成された。

この労働組合結成は、社員の間に会社に対する不満などがあったことに加えて、当時中小企業での労働組合結成の気運が高まっていたことがその背景になっている。

結成後は、会社側の労働組合に対する誠意ある対応によって、労使双方が「働きやすい、働きがいのある職場づくり」に努力するようになり、労使協調路線ができあがっていくことになる。なお、1975年9月には労使間で労働協約を締結した。

当時の出来事

1969. 7
米・アポロ11号が月面着陸に成功、人類が初めて月に降り立つ
1970. 3
大阪万博が開幕(9月に閉幕)
1972. 5
沖縄が日本に復帰「沖縄県」誕生
1973.10
第4次中東戦争勃発に伴う石油危機、第1次オイルショック発生
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