第1部 多摩技研の時代

第5章 中堅企業への基盤形成の時期(1985~1989)

新社長 森實 敏

新社長 森實 敏

1985. 3 社長交代、専務 森實 敏が社長に

1985年3月に社長人事を行ない、第3代社長に専務取締役 森實 敏が就任。前社長 滝澤 龍郎は取締役相談役に就任した。この人事の結果、経営トップの陣容は次のとおりとなった。

取締役会長 森實 千馬太
取締役相談役 滝澤 龍郎
代表取締役社長 森實 敏

CAD/CAMシステムの起動スイッチを押す森實社長

CAD/CAMシステムの起動スイッチを押す社長

1985.10 同業他社に先駆けてCADシステム導入

1979年代の終盤以降、大手製造企業ではCAD/CAMの導入が活発化。中小企業においては多額の資金と高度な技術が必要とされることから、その導入に踏み切れない状況があった。

このような情勢のもとで「設計会社にとって、将来的にこれらの導入は不可避である。この時期に導入すれば他社を1歩リードすることができる」と社長の決断で、設計業界の先陣を切って1985年10月に安城事務所にCAD/CAMを、1986年には、名古屋事務所にもCADを導入した。

桑名工場全景

桑名工場全景

1986. 1 桑名工場 発足

1981年10月にお客さまと業務提携して以来、設計製作一貫作業の受注を積極的に推進。この体制をさらに一段と強化するため、1986年1月に株式会社多摩技研・桑名工場を発足させた。

これによって当社は、「自社工場を保有するエンジニアリング企業」というユニークな特徴を持つこととなった。

1986.11 小牧事務所開設

1986年に開設した小牧事務所は、お客さまの小牧市への移転に対応するために急遽開設したもので、その面積も小規模なものであり、今後の取引拡大を考えたとき十分な広さではなかった。

そこで、将来における愛知県北部地域での新たな顧客開拓を見据え、同事務所を拡充すべく本格的な社屋の建設を計画した。1988年10月には、小牧市文津に建設用地を取得。建設工事は1989年6月に着工、同年12月に竣工した。小牧事務所は、3階建て、半円筒形の外観を持ち、内部には和室やシャワールームを備えたモダンな社屋となった。同事務所は名古屋事務所に次ぐ当社3棟目の自社ビルとなる。

八王子事務所開所式

八王子事務所開所式

1987. 9 八王子事務所開設

1987年9月に東京都八王子市大和町に八王子事務所を開設した。

この事務所は、東京西部地域の拠点として今後の発展が十分に期待される存在であった。開所式の挨拶の中で社長 森實 敏は「この事務所を足がかりとして、さらに大きな事務所の開設実現に1日も早く到達するよう、この小さな芽を大きく育てていただきたい」と述べた。

開発に成功したアスペック

開発に成功したアスペック

1988. 7 機械制御装置「アスペック」の自社開発に成功

1987年9月に自社製品の開発に着手し、初の成果として工作機械等の制御装置開発に成功した。

当時、工作機械などの制御については、廉価な制御装置が求められていた。ここに狙いを定めて開発に取り組み、1988年7月、開発に成功。「カスタム PC USPEC(通称:アスペック)」と名付けた。

30周年記念社員旅行

30周年記念社員旅行

1989. 9 会社創立30周年(社員数507名、売上高36億円)

当社は1989年9月12日に創立30周年を迎えることとなった。

この30年間は平穏、順調に推移したわけではなく、時には極めて厳しい状態に陥ったこともあるが、その時々の的確な経営判断と全社員の努力によって難局を打開してきた。このような経緯のなかで無事に30周年を迎えることができた喜びを全社員で分かち合うため、様々な画期的記念事業が実施された。

厚木事務所開所式

厚木事務所開所式

1989.12 厚木事務所開設

神奈川県座間・相模原方面の顧客に対するサービス充実のため、神奈川県厚木市の小田急線「愛甲石田駅」の目の前に厚木事務所を開設。この事務所は、新築ビルの1フロアーを賃借したものであり、十分にゆとりのある広さであった。

当時の出来事

1985. 6
徳島と淡路島を結ぶ大鳴門橋開通
1985. 9
プラザ合意、円が急騰
1986. 4
男女雇用機会均等法施行
1986. 8
H-Iロケット1号機打ち上げ成功
1988. 3
青函トンネル(全長53.85km)開通
1988. 4
瀬戸大橋開通
1988. 9
ソウル・オリンピック開催、アジアで2回目の夏季オリンピック
1989. 1
昭和天皇崩御、年号は”平成”に
1989. 4
消費税導入、税率3%でスタート
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